住まいに発生するダニの種類や特徴についてご紹介しています。
屋内に生息するダニの割合
室内からは5亜種、60種類以上のダニが記録されていますが、普遍的に見られるのは下表に示すようなダニ類です。
室内に生息するダニの種類を調べるとチリダニが70%以上を占め、そのチリダニの90%以上をヒョウダニ属が占め、その99%以上をヤケヒョウヒダニとコナヒョウヒダニがしめています。
その中でも特に問題となるのはヤケヒョウヒダニとコナキョウヒダニです。二種類のダニのみが問題になるのは1.ダニ数が多く、構成比率が高い、2.ダニ成虫、死骸、糞のいずれもがアレルゲン(アレルギー反応を起こす原因物質)になる、3.ダニ成虫を殺しただけでは駆除にならないなどの理由です。
屋内ダニの種類
屋内ダニとは家屋内で生息するダニで、主にタタミ、布団などの寝具類、ジュータン類、ぬいぐるみ、クッション、ソフアーなどに生息しているダニです。
チリダニ科
チリダニとは科名で、日本で記録されているのは、シワダニ、ヤケヒョウヒダニ、コナヒョウヒダニ、イエチリダニ、ニセチリダニの5種類です。
コナヒョウヒダニ
いずれも成ダニの体長0.4mm乳白色で、腹部後方に剛毛がある
ハウスダストの中に多い、特に使用頻度の高い布団、寝具、カーペットなどに多く、いずれも喘息やアトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患を引き起こすダニとして重要です。
イエササラダニ科
一般にササラダニと呼ばれ、家屋内の環境中でも少なからず見出される。いくつかの種は明らかに好屋内性で、時には大量に発生することがある。
イエササラダニ
成ダニの体長約0.3mmで乳白色で細長いです。
カビを主な餌としており、湿度60%以上のカビの発生し易い高湿環境でよく発生する。生態は不明の部分が多いが、室内塵からの検出頻度は非常に高く、ミナミツメダニとの相関が高い。
ツメダニ科
日本の家屋にいるツメダニはミナミツメダニとクワガタツメダニが知られています。高温多湿を好み、日本では高温多湿の時期に活動が活発となります。
ミナミツメダニ
成ダニの体長約0.4mmで淡黄~淡黄褐色です。
他のダニや小昆虫を餌とする捕食者で、餌となるチリダニやイエササラダニなどが発生した後に多数発生することが多く、人を刺し、赤色の皮診と痒みを起こし、本種による被害は多い。
ツメダニを予防するには他のダニを発生させないことが大事です。
コナダニ科
わが国には30種あまりが知られているが、そのうちケナガコナダニ、ムギコナダニ、コウノホシカダニ、サトウダニなどが重要である。特に住居内で重要な種類はケナガコナダニです。
ケナガコナダニ
成ダニの体長0.4mmで体表に多数の長い剛毛を有する。コナダニ類は食品害虫として有名でチリダニ類より高湿度でよく繁殖する。屋内では新しい畳や保存食品にも発生が見られる。
ニクダニ科
日本にはマルニクダニ、ヒサシニクダニ、ニクダニの三亜科がみいだされる。
イエニクダニ
いずれも成ダニの体長0.3-0.8mm。乳白色。胴体毛が長く、棘生する。
屋内生息性のダニ。湿気て変質した食品などや、家具、畳などで発生することが多い。冬期に、結露により壁面にカビが生えた場所などで発生することもある。
ホコリダニ科
主にカビを食べる小型のダニ。通常は無害である。住まい方や、家屋構造の問題からカビが室内に生じて、本種が二次的に多発生するケースが多い。
ミナミホコリダニ
成ダニの体長0.1mm~0.2mmほどの,ダニの中でも比較的小さく第2脚と第3脚の間にナス状の感覚器官があるものが多いこと,雌雄の形態が異なります。
室内から検出されるのは,ほとんどナミホコリダニでハウスダスト、貯蔵穀物からの検出頻度は高い。
ヒゼンダニ科
ヒゼンダニはヒトから離れて生活することはできず人の皮膚で繁殖する小型のダニです。ヒトの皮膚につくと皮膚の角質層内に侵入し線状のトンネルを掘り繁殖します。
ヒゼンダニ
ヒゼンダニは0.2mm~0.3mmの円形形で、四対の短く太い脚があり、白っぽい体をしていますが、肉眼で虫体を見分けるのは困難で雄は雌よりさらに小型です。
感染経路は人と人との接触や寝具や衣類などを介して別の人に移り、人の皮膚に寄生し繁殖します。
疥癬はヒゼンダニが人間の皮膚に張り付いて生じる、かゆみを伴う皮膚疾患です。
ダニが好む温湿度と繁殖場所
家屋内のダニ類の繁殖条件は、高温多湿の環境があり、餌となるハウスダスト内の有機成分があり、もぐって産卵できる場所があることです。
また、人が多く集まる場所(部屋)にもダニは多くみられます。この場合、人のフケやアカを好むチリダニの数が多くなります。
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